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リハビリテーション科

脳神経外科や脳神経内科の病気には、薬や手術で治療しても後遺症や合併症が生じるものや、現代の医学でしても治療が困難なものがあります。残された機能をもとに少しでも生活の質を維持・向上させるためには、リハビリが欠かせません。

当院では、治療の一環で「脳血管疾患等リハビリテーション」と「運動器リハビリテーション」を行っています。

患者様の疾患や状態、目標に沿ってリハビリプランを作成し、医師の指示のもとで理学療法士がリハビリを実施します。医師と理学療法士で治療経過を都度共有しながら、リハビリを進めています。

理学療法について

理学療法とは、運動機能の維持・改善や健康の維持・悪化の予防を目的としています。
病気や障害などで運動機能が低下した患者さんに対して、運動・温熱・電気などの物理的手段を用いて行う治療法です。治療の中で、マッサージやストレッチも取り入れています。
理学療法士は、起き上がり・座る・立ち上がり・歩行・寝返りなどの体の基本動作のリハビリを行います。そのために、関節可動域訓練、筋力トレーニング、起き上がり動作練習、起立歩行練習などを組み合わせます。必要に応じて装具を用いることもあります。

脳血管疾患等リハビリテーション

主に、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害(脳卒中)や脳腫瘍などの中枢神経疾患、多発性硬化症などの神経疾患、パーキンソン病などの神経筋疾患の患者様に対して行うリハビリです。
患者様の呼吸・脈拍・血圧・意識状況や神経症状の変化に注意して、合併症の予防、起き上がって過ごす訓練、歩行訓練、応用歩行訓練などを行います。

脳血管疾患等リハビリの内容例

患者様の疾患や状態、目標に沿って、リハビリメニューを考えます。

合併症の予防
排痰促進

脳血管障害(脳卒中)などの後遺症で、ごはんや飲み物を飲み込む機能が低下することがあります。これを「嚥下障害」といいます。嚥下障害になると、異物が気管に入ったときに自然と吐き出す機能も鈍ります。そして、唾液や痰をうまく吐き出せずに飲み込んでしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす恐れがあります。また、気道に痰が溜まると、空気がうまく肺に送られません。
そのため、リハビリでは自力で痰を出す練習をします。

深部静脈血栓症の予防

深部静脈血栓症とは、足から心臓へ血液を戻す静脈に血の塊(血栓)ができる疾患です。足の表面の血管に血栓ができても大きな問題はありませんが、膝の中心や太もも、下腹部を走る深部静脈に血栓ができると、血栓が肺に流れて肺塞栓症を起こす恐れがあります。
脳血管障害や神経変性疾患、末梢神経疾患がもとで下半身の麻痺が生じると、血流が悪くなり、深部静脈血栓症を起こすリスクが高まります。
そのため、足関節の運動を行い、血流を良くするリハビリを行います。

拘縮の予防

脳血管障害(脳卒中)や神経変性疾患、末梢神経疾患がもとで麻痺が生じると、麻痺の部分に「拘縮(こうしゅく)」が生じることがあります。拘縮とは、関節とその周囲の筋肉や腱が固まってしまう状態です。無理に動かそうとすると痛みが出て、筋肉や腱が切れてしまうことがあります。例えば、肩や肘の関節が拘縮を起こすと、衣服の着替えに苦痛を伴います。
リハビリでは、関節の動きを良くするために関節可動域訓練を行います。

起き上がって過ごす訓練
起き上がり ベッドから起き上がる練習をします。
端座位保持 ベッドや椅子の端に座り、足を下ろした姿勢を維持する練習をします。
立ち上がり 椅子に座った状態から立ち上がり、ゆっくり腰かける動作を繰り返します。
立位保持 立位は、歩行、移乗、トイレ移動などに必要な動作です。
一定時間、立ったままの姿勢を維持できるよう、練習します。
車椅子移乗 ベッドから車椅子に移動する練習をします。
車椅子座位 車椅子に座った状態を維持する練習をします。
歩行訓練
つたい歩き 手すりなどを持って歩く練習をします。
歩行器歩行 歩行器を持って歩く練習をします。
杖歩行 杖を用いて歩く練習をします。
独歩 何も持たずに、自分の足で歩く練習をします。
応用歩行訓練
バランス練習 不安定な場所で立ったり歩いたりトレーニングを行うことで、脳や筋肉・関節を刺激し、歩行に必要なバランス感覚を養います。
階段昇降 日常生活に必要な、階段を昇り降りする練習をします。

運動器リハビリテーション

運動器とは、骨・筋肉・関節・神経などの総称です。それぞれが連動して機能するため、どれか一つが悪くなるだけで、体はうまく動きません。運動器のリハビリは、疾患や障害で動きが鈍くなった運動器に働きかけ、従来の動作に近づけていくものです。
当院では主に、首・腰の痛みや手足のしびれなどの末梢神経障害に対するリハビリを行います。運動療法や物理療法・装具療法を行い、起き上がり、立ち上がり、歩行、階段昇降などの日常生活動作の獲得や、障害された機能を回復し、可能な限り身体機能を改善させることを目的としています。また、状態の維持、予防のためにもリハビリは重要です。

運動器リハビリの内容例

起き上がり、立ち上がり、歩行、階段昇降などの動作訓練

ベッドから起き上がる訓練や立ち上がる訓練、歩行訓練、階段の昇り降りの訓練を行います。

関節可動域訓練

炎症や痛み、術後の固定のために体を動かさず安静にしていると、関節とその周囲の筋肉や腱はだんだん動かしにくくなっていきます。一度固まると改善しにくいため、リハビリでは関節の動きを良くする訓練を行います。

ストレッチ

筋肉の疲労や、関節・靭帯の痛みを引き起こす原因を取り除くために、筋肉を伸ばす運動を行います。

筋力トレーニング

炎症や痛み、術後の固定のために体を動かさず安静にしていると、筋力はやせ細っていきます。筋力の維持・増進を図り、痛みを改善させて元の日常生活を送れるようにするためのトレーニングを行います。

バランス能力の改善訓練

不安定な場所で立ったり歩いたりトレーニングを行うことで、脳や筋肉・関節を刺激し、日常生活に必要なバランス感覚を養います。

転倒予防

立位が不安定な方の転倒時の骨折を予防するための運動プログラムを行います。

リハビリを受けられる方へ

リハビリは、リハビリテーション室で行います。動きやすい服装でご来院ください。

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